●会員による会員のための親睦・勉強会 第4回目●
日時:2006年2月7日 場所:築地・朝日エル会議室
題名:「日本の野菜の種類と品種の総まとめ」 
講師:芦澤正和氏

講師は当フォーラムの理事であり、長年にわたり野菜茶業研究所に勤務され、育種の経験が深い。数多くの著作や、監修された野菜の本は多岐にわたる。今回は日本野菜総論のような形で講義して頂いた。

詳細な資料から以下の5点について解説いただいた。

(1)東京中央卸売市場の品目リスト−計160種プラス果実3種。
いちご、スイカ、メロンは「一年生草本」として育てるので、日本の市場では野菜として取り扱う。

(2)日本における野菜の種類(系統樹と呼ばれる図)−植物32科148種、菌類7科10種。
日本でもっとも食べられている野菜は「アブラナ科」である。ツケナは、日本で発達した「葉っぱ」のことで、全国各地でその地方風土や食生活に適し、伝統的に利用されてきた品種が多い。

(3)野菜の区分−30科の野菜。果菜、葉菜、根菜の三つの利用部位別に分けたもの。
野菜を栽培・管理・収穫・流通上の特徴から習慣的に、果菜、葉菜、根菜に分けている。枝豆やオクラは果菜類になる。「タマネギは根か葉か?」の質問に対し、「葉の変形したもの−バルブ」とのこと。

(4)野菜の生長過程とその利用部位−発芽から果実、種子形成という段階で、いつ食べるか?
植物としての生育の全過程を利用する。例えば、発芽した直後のもやし。未熟果で収穫するキュウリ。果実適熟の段階(熟果)で収穫するトマト、メロン、スイカなど。この説明から野菜の「植物としての一生」が右方向のベクトルになっていて分かりやすい。

(5)日本における野菜の実用化年代とその原産地−日本原産の野菜を表記。年代は古代から14世紀、15〜18世紀、19世紀から現代と大まかに三つの年代に区切ってご説明。
我々が通常利用している野菜は日本原産のものは少ない。特に、現在の日本で「指定野菜」(たまねぎ、キャベツなど消費が多い重要な野菜14品目)、「特定野菜」(指定野菜に準じる32品目)は外国から導入されたものがほとんどである。(ただし、日本原産のわさびは特定野菜にも入っていないが、大切な野菜である)。

<文責 日原 幸子>


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