タイトル<設立の趣旨>

南北に細長いこの島国で私たちは地域ごとに異なる自然との関係の中で、それぞれ地域特有の生活習慣を築いてきました。食生活において、健康維持のため一日たりとも欠かすことのできない野菜は、とりわけ自然との関係が強く、品種の地域性や地方特有の調理・加工方法など、地域に密着した食文化を構築しています。

こういった「文化としての野菜」という概念を認識し、野菜を見直してその文化を普及拡大することを目的として、1988年3月、「野菜と文化のフォーラム」が設立されました。


近年、品種改良や大量輸送の発達のおかげで、いつでも、どこにいても好きな野菜が手に入るようになりました。しかしながら、そのおいしさや安全性などに疑問の声も多く聞かれます。私たちは、このフォーラムを通じて、日本の食文化を守る立場から野菜のすばらしさを見直し、作り手・売り手・食べる側が一緒になって、安全でおいしい野菜を考えてきました。

全国の産地から四季折々の野菜を取りそろえ「食べ比べ」を行い、またそれぞれにふさわしい使い方や調理方法の調査研究を行いました。毎年シンポジウムを開いて、それらの効果を発表するとともに、各方面の専門家を招いて野菜について様々な面から公演や討議を重ねました。また、デパートやスーパーに「フォーラム・フラッグショップ」を設け、あるいはフェアを開催して、各地のおいしい野菜を消費者に紹介してきました。

これらの活動を続ける中で、私たちは、おいしい野菜・安全な野菜を生産し、流通させ、販売するしくみを吟味し、改善策を見出す努力の必要性を一層痛感しました。そして、この会が主体となって「安全でおいしい野菜」を適格に評価し、認定をするシステムを作り、消費者が用途にあった「安全でおいしい野菜」を買い求めるための指標にすることができればという願いも膨らんできました。

私たちはこれまでの「野菜と文化のフォーラム」の軌跡をさらに発展させ充実させるため、ここに特定非営利活動法人 野菜と文化のフォーラム を設立することにいたしました。今後、より多くの皆様にご賛同いただいて活発に活動し、安全でおいしい野菜文化の継承に貢献し、ひいては国民の健康に寄与し続けていきたいと考えています。

2002年5月13日
特定非営利活動法人 野菜と文化のフォーラム