タイトル<野菜の学校>
● 2010年度「野菜の学校」 ●
- 2010年12月授業のレポート -


なにわ(大阪)野菜の展示

 今期は「日本の伝統野菜・地方野菜」をテーマに、毎月、一地方の、できるだけその時期の伝統野菜・地方野菜を数種取り上げます。授業は主に、「その地の専門家の講義」、「伝統野菜1種の他地方産やハイブリッド種などとの食べくらべ」、「野菜数種の生・加熱による試食」、「それぞれの野菜を生かした料理の試食」、「受講生の意見交換」で構成しています。

開催日:

2010年12月4日(土)

会場:

東京都青果物商業協同組合会議室

テーマ:

なにわ(大阪)野菜
「田辺大根(たなべだいこん)、大阪しろ菜、天王寺蕪(てんのうじかぶら)、金時人参(きんときにんじん)、勝間南瓜(こつまなんきん)、河内蓮根(かわちれんこん)、吹田慈姑(すいたくわい)」

【講義】

「たべものさん、ありがとう」

農学博士・元大阪府立食とみどりの総合技術センター 主任研究員
なにわ伝統野菜応援団員
森下正博(もりしたまさひろ)氏

 森下正博先生は大阪府立農林技術センター(後に食とみどりの総合技術センターに移行)野菜園芸部リーダーでいらっしゃる頃からなにわ伝統野菜復活の中心的な存在。退職後の現在はその応援団として、「無理せず、楽しく、長く続ける」ことをモットーに、生産、流通、調理や加工など様々な分野に働きかけたり、子どもたちや消費者への食農教育、地域の食文化の復活のためにご活躍です。当日は独特のやわらかな大阪弁で、軽妙に語って下さいました。

講義内容の詳細はこちら

 ☆   ☆   ☆

●東京青果(株)の澤田勇治氏からは、伝統野菜は市場では取り扱いにくい商品で、大阪市場でも同じだったという森下先生のお話に、残念ながらそれが現実だとの感想がありました。また、大根は日本で最も多く栽培されている野菜で、その畑は東京ドーム1万個に相当する広さとのこと。元々、大根は形・色など様々な品種がある地域性の大きい野菜ですが、現在はいわゆる青首大根が圧倒的な市場を占めているそうです。

●スタッフである管理栄養士の松村眞由子さんは、開講に先立って、森下先生のご案内のもと、今回の主ななにわ野菜をお送り下さった、生産者の松本皓市さんの畑を訪ねました。住宅街の一角ともいえる立地の畑の様子が写真で紹介されました。天王寺蕪や田辺大根の葉の大きさ・やわらかさが特に印象的だったそうです。勝間南瓜は皮がむきやすく、だしをきかせるとおいしいとのアドバイスも。またスタッフの脇ひでみさんたち数人は、大阪の台所といわれる黒門市場、森下先生も審査員の一人だった大阪市の農業フェアを訪れた体験報告を。そのフェアで、松本さんは勝間南瓜、金時人参などで受賞。開講当日の野菜は、お墨付きのなにわ野菜であることがわかりました。ただ勝間南瓜は、出荷時期をかなり過ぎているのをどうにか保存していただいていたので、残念ながらとても小ぶりなものになりました。

●調理責任者の領家彰子さんからは、食べくらべのテーマである田辺大根は切り方に工夫があること、田辺大根の特長であるやわらかな葉茎を浅漬けにし、さらにみぞれあえにした一品の紹介がありました。

【食べくらべ】

 「田辺大根」、「青首大根」、「白首(大蔵)大根」を「生」と「和風煮」で食べくらべました。

 食べくらべのコーディネートは、農産物流通コンサルタントで当学校のスタッフでもある山本謙治氏。食べくらべ評価の原則として、「おいしい・まずい」の表現はタブー。各自で食べくらべ、「見た目」「食感」「香り」「風味」+「各自が決める指標」の5つの指標それぞれに評価をし、五角形のチャートに記してから、6〜7人のグループ単位で意見交換・発表がなされました。


大根の食べくらべ

 発表に先立って、山本氏からは、田辺大根の葉茎に毛がないことなどから、元々はねずみ大根の系統だろうとの紹介がありました。

主な感想・意見はこちら

【当日のなにわ野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく
※各野菜名をクリックすると詳細ページがご覧いただけます
田辺大根(たなべだいこん) 大阪しろ菜
天王寺蕪(てんのうじかぶら) 金時人参(きんときにんじん)
勝間南瓜(こつまなんきん) 河内蓮根(かわちれんこん)
吹田慈姑(すいたくわい)  
【その他、全体の感想より】
  • 見たことのない野菜を見ることができて満足です。伝統野菜は旬のものを集めるのが難しいと思いますが、がんばってください。

  • なにわ伝統野菜のストレートな説明、とても楽しく聞かせていただきました。また、伝統野菜の認証、PRグッズ、加工食品などの努力も参考になりました。

  • 田辺大根など、日々食べることができない野菜の食べくらべができて大変よかったと思う。
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