●「野菜のおいしさシンポジウム」報告●
【開催日時】 平成19年5月23日(水) 13:30〜15:30
【会場】 女子栄養大学駒込校舎内3号館5F
【参加者】 180名(流通関係、食品関係、全農関係、生産者、種苗会社、公的機関、一般)
開催の目的
昨年、農水省が公募した「知識集約型産業創造対策事業」に野菜ランド化推進調査事業(野菜のおいしさ調査事業)として応募し採択され、その事業において行われた野菜のおいしさ検討委員会の報告を行った。消費者が野菜のおいしさを正しく理解していただき、それぞれの仕事に役立てていただきたい。
基調講演(講演2題)
「野菜のおいしさと消費者の嗜好構造」 山口 静子氏
(東京農業大学応用生物科学部・栄養科学科教授、前日本官能評価学会会長、野菜のおいしさ検討委員会委員長)
「野菜のおいしさ研究の最前線」 堀江 秀樹氏
(野菜茶業研究所品質解析研究室長、野菜のおいしさ検討委員)
講演要旨
  1. 昨年行われた嗜好型官能評価で得られた結果の公表や、野菜は機能性だけを謳っても、おいしくなければ消費は伸びない。おいしい野菜を提供すると同時に、おいしい食べ方、そして正しい食嗜好も消費者に植え付けなければ行けない。野菜は食材の一つであり、動物性食材(肉類や魚貝類)のすばらしい脇役であり、その事を十分わきまえたおいしさをアプローチする必要がある。

  2. 公的機関は品質研究は行っているのに、なぜ、いままでおいしさの研究をやってこなかったのか。おいしさ研究の問題点と対応策、野菜は食感が大事。いまのところ、おいしさを計るのには官能評価法しかないのが現状。現在は様々な分析機器の発達で分析値を利用できるが、野菜のおいしさを計る適切な物差しが必要だ。

  3. おいしさの研究を遅らせているのは、Brix値が高ければ甘いのではないかと直感的に反応して、「糖度が高ければ甘い、甘ければおいしい」、そこで思考が停止してしまって、それが「現在のおいしさに対する認識」ではないだろうか。糖度計の表示は試料の液体の濃さ(可溶性固形物)を示す値で、糖の多少に関係なく、「甘さ=おいしさ」ではないことを強調された。

  4. 今回のシンポは難しいテーマで、「野菜のおいしさとは何か」という明快な回答は出なかった。
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